車を降りて外に出ると、プンと甘い香りがした。
ニセアカシアだ。
我が家のすぐ近くに公園があり、そこには数本の大きく育ったニセアカシアの樹がはえている。
毎年、この時期になると白い花を咲かせ、甘い香りを漂わせる。
ここまでするのは珍しいけど、昨日の雨のせいだろうか。
ワタシはこの花が好きだ。
葉は奇数羽状複葉で、豆のような配列になっている。
子供の頃はこれを一枚一枚、「いろはにほへと」と言いながらちぎったものだ。
一枚、自分の葉を選んで、「いろはにほへと」のどれになるかという占いみたいなものだった。
もう、内容は覚えてないけれど。
ニセアカシアの名前の由来は、昔(小学生の頃?)ウォークラリーのクイズにあったので調べた記憶がある。
ニセアカシア(贋アカシア)、名前の通りこれは「ニセモノのアカシア」だ。
随分かわいそうな名前だが・・・。
別名はハリエンジュ(針槐)。
アカシアはエンジュ(槐)とも呼ばれるので、ニセアカシアはハリエンジュ(針槐)と呼ばれる。(トゲがある)
と、全然関係ないが「エンジュ」で、僕地球(ぼくたま)を思い出した。
中学生の時、友達に借りて読んでいたな。友達はマンガが好きな、絵が上手な子だった。(シオンの絵を描いて、ワタシにくれた。本当に上手だったけど、貰ってもどうすればいいのかな・・・ってちょっと思った。探せばどこかにあるかも)
細かいストーリーは覚えていないのに、何故か断片的に登場人物たちのセリフを未だに覚えていて、
その一つに、「エンジュのお守りはもうごめん」(繻子蘭のキイワード)というのがあるのだ。
年に一度は(ニセアカシアを見て)思い出し、言ってしまう。
ザイ=テス=シ=オン アリスが輪くんに苦しそうに言う場面や「憶い出したー・・・」のシーンなんかも強く印象に残っている。
ワタシと妹、幼馴染の友達とその妹(ワタシの妹の友達でもある)と四人で飲みに行った際、ふと僕地球の話題になって
「そういえばあったよなー!!」「流行ったなー!」なんて大盛り上がりしていたら、
妹達二人はキョトンとしていて、
「ちょっと!僕地球知らんとか言わんといてや!」「まさかやな!」
と言ったらそのまさかで、全然知らないのであった。「ちらと見たことある気はするけど・・・」
ジェネレーションギャップが悲しかったな・・・。
なんてニセアカシアを見ながら色んなことを思い出したのだった。
もう少しすると花は落ちて、それまでぶどうの房のように瑞々しかった花が、水分が抜けて軽くなり、カサカサと音をたてるようになる。
道路一面に落ち、風に吹かれてカサカサと動くそれを見るのも好きだったりする。